こんにちは。

今日は「サザンセトロングライド」が開催される日です。メイン会場は「柳井ウエルネスパーク」、ウチから車で1時間以上かかります。

そのため、2時に起きて出かける予定でいたのですが、あろうことか寝坊をしてしまい起きたのが5時。多分、無意識のうちに目覚ましを切ってしまったのでしょう…。とんでもない大失態です。

スタートが6時なので、5時は会場付近にいないといけない時間、今から行っても間に合うはずもなく、残念ですが棄権ということになりました。

そういうことで、急遽、山口中医薬研究会の定例会に出席することになりました。今回の講師は中医師の「鄒 大同(すう たいどう)」先生で、「キノコと中医学」というテーマでお話ししていただきます。

鄒先生は、ガンを専門にされている先生、最初に中国で行われたガンの学会の報告をされました。日本でも「がんは、万が一じゃなく二分の一」と言われている時代、中国でも同じく多いそうで、学会事態も規模が年々大きくなっているそうです。

「医食同源」を特徴とする中医学、キノコを漢方薬として使われる歴史も古く、その内容は豊かで広く深く、「健康長寿」に大きな役割を果たしてきたと言います。

その中でも代表するキノコ「霊芝」「シベリア霊芝(チャガ)」「雲芝」「冬虫夏草」「銀耳」について、その特徴を説明されました。

霊芝

「霊芝」はマンネンタケ科のキノコ。その効用は、「益気健脾」「養心安神」「止咳平喘」。気を補い、胃腸を元気にし、気持ちを落ち着かせ、咳を止める…という働きです 。その種にあたる「霊芝胞子」の薬理研究では、ガン細胞のテロメア(命のカウンター)を阻害するのだそうです。

シベリア霊芝(チャガ)

生きた白樺に寄生するサルノコシカケ科の「シベリア霊芝(チャガ)」。その効用は、「補気健脾」「補肝益腎」「化痰解毒」「活血利水」。 気を補い、胃腸を元気にし、老化防止、解毒、体にたまった余分な水を取り除く…という働きです。ガン細胞の増殖を抑える働きに加え、アレルギーを抑える働きも。

雲芝

「雲芝」はサルノコシカケ科のキノコ。その効用は「健脾利湿」「清熱解毒」「去痰散結」。 胃腸を元気にし、 体にたまった余分な水を取り除くき、余分な熱を取り、しこりを取り除く。日本では「雲芝」の有効成分を抽出し、「クレスチン」というガンに使う製品が開発されました。「肝炎ウイルス」「肝臓炎症」「肝硬変」「肝臓ガン」など、肝機能の改善に期待されるキノコ。

冬虫夏草

「冬虫夏草」はコウモリガ科のコウモリガに寄生するバッカクキン科のキノコ。その生活環境は標高3000~4500mの寒冷地区で、その効用は「補腎益肺」「止咳化痰」。「冬虫夏草」は免疫を調節して、抗ガン作用をはじめ幅広い働きが。

銀耳

シロキクラゲ科のシロキクラゲ属のキノコ。白きくらげを「銀耳」、黒きくらげを「木耳」と呼び、中医学では、白は「肺」、黒は「腎」に作用すると考えます。その考えの通り、「銀耳」の効用は「滋補生津・潤肺養胃」。主にデザートや中華料理として食べられますが、不老長寿の薬として珍重されているそうです。

中医学の「マクロ弁証」と「ミクロ弁証」

中医学では「四診」から情報を収集します。視覚によって集める情報を収集する「望診」、患者さんの体に直接触れて情報を収集する「切診」、声の調子や話し方、息の仕方、息や体の匂いなどから情報を収集する「聞診」、現在の症状や病歴、家族歴、生活習慣などを聞くことで情報を収集する「問診」の4つです。

これらの情報から中医学の理論によって弁証しますが、それは「マクロ弁証」。それ以外、初期であり臨床症状がないケースもあり、病院での「検査データ」というのもあり、検査データより病気の様子を把握することもあります。より細かく進退を予測、それは「ミクロ弁証」と言えると思います。

肝障害の弁証では、肝細胞障害の程度を調べる「ALT」「AST」「総ビリルビン(TB)」。胆汁鬱滞の程度を調べる「直接ビリルビン(DB)」「γーGTP」。肝硬変の重症度を調べる「アルブミン(ALB)」。肝臓ガンの進行を調べる「AFP」。それぞれ異常値を示す場合、中医学でどう理解したらいいのか…といことを話されました。

「ALT」「AST」「総ビリルビン(TB)」「直接ビリルビン(DB)」「γーGTP」が高い場合は「邪実(湿、熱)」。「アルブミン(ALB)」が低い場合は「正虚(気虚)」。「AFP」が高い場合は「邪実(湿、熱、瘀血)」と判断できるようです。

検査データから弁証をする…というお話、面白いなと思いました。

キノコを利用しながら、中医学の弁証と合わせて対応する…。その考え方のヒントをいただきました。鄒先生、ありがとうございました。

ただ、「サザンセトロングライド」に行けず、悶々としていました。