こんにちは。

急激な寒暖差で体調を崩し、カゼを引かれる方が増えているようです。外は暖かいけど、家の中はひんやり…ボクもカゼを引きそうになりました。💦

カゼは、自然界の邪気「風邪(ふうじゃ)」が体に入り込んで現れる症状と中医学では考えます。「風邪」は、主に気候によって他の邪気(寒邪、熱邪、湿邪など)と一緒に侵入するため、季節によって、かかりやすいカゼのタイプも変わります。

冬に多いのは、悪寒、頭痛、水っぽい鼻水などが特徴の「風寒タイプ」の青いカゼ。こうした症状を放っておくと、発熱や強いのどの痛みを伴う「風熱タイプ」の赤いカゼに悪化してしまうこともあります。朝起きて「ちょっとのどが痛い」「寒気がする」といった症状を感じたら、その日のうちにすぐ対処して、体内の邪気を早めに追い払ってしまいましょう。

風寒タイプ(青いカゼ)

冬に多い初期のカゼ。体を温めて「風邪」「寒邪」を追い払い、早めの対処で症状の悪化を防ぎましょう。

主な症状としては、悪寒、頭痛、節々の痛み、冷え、透明で水っぽい鼻水、白く薄い痰、汗をかかない、舌の苔が白く薄い…。

体を温める食材、ネギ、三つ葉、しょうが、葛、ニンニク、シナモン…などを食べましょう。

漢方薬では、葛根湯、小青竜湯、頂調顆粒など。

風熱タイプ(赤いカゼ)

熱の症状を伴うカゼで、インフルエンザもこのタイプ。体の熱を下げながら、「風邪」「熱邪」を発散しましょう。

主な症状としては、発熱、のどの強い痛み、咳、口の渇き、発汗、黄色く濃い鼻水、濃い痰、舌先が赤く苔が黄色い…。

熱を冷ます涼性の食材、ゴボウ、レンコン、大根、トマト、グレープフルーツ、菊の花…などを食べましょう。

漢方薬では、天津感冒片、涼解楽、板藍根など。

風湿タイプ(黄色いカゼ)

胃腸の不調を伴うカゼ。体内の「湿(余分な水分や汚れ)」を取り除きながら、胃腸の働きを整えましょう。

主な症状としては、胃のムカつき、胃痛、食欲不振、嘔吐、お腹の張り、下痢、頭重、体が重い、顔色が黄色い…。

湿を取り除く香りのよい食材、シソ、しょうが、みょうが、梅干し、山椒の実、八角…などを食べましょう。

漢方薬では、勝湿顆粒、香蘇散など。

カゼ対策は予防から

カゼ予防の基本は、日頃の体調管理でカゼに負けない元気な体を作ること。「気になる症状」を参考に、自分の体質をチェックして、冬本番のカゼシーズンに備えましょう!

疲れやすい「陽気不足タイプ」

「陽気」は体内の気(エネルギー)の1つで、体の活動の基本となる熱エネルギーのようなもの。全身を巡って体を温めたり、体の防衛力となって邪気の侵入を防いだりする「元気の源」です。

「陽気」を充実させるためには、気を生む源となる「肺」と「脾胃」の働きを高めることが大切です。バランスのよい食事で十分に栄養を摂り、しっかりと呼吸して、体内の「陽気」を養いましょう。

また、病気による消耗、過度の疲労、食事の不摂生、加齢などは、「陽気」を不足させる原因となります。

疲労感、倦怠感、息切れ、体の冷え、食欲不振、しもやけ、軟便、顔色が白い、舌の苔が白い、普段からカゼを引きやすい…。養生のポイントは「肺」と「脾胃」の働きを高め、体を冷えから守ること。思い当たる状態があれば、積極的に養生するように心がけて下さい。

「肺」と「脾胃」を養い、体のエネルギーとなる食材、大豆製品(豆腐、湯葉、豆乳など)、米、ヤマイモ、カボチャ、キノコ類、豚肉、鶏肉、太刀魚、鯛、白きくらげ、白ごま…などを食べましょう。

漢方薬では、衛益顆粒、補中丸、健胃顆粒、健脾散など。

女性に多い「血不足タイプ」

「血」は、全身を巡って体に栄養や潤いを与える、体を温めるといった大切な役割を担っています。そのため、体内の「血」が不足すると、体の栄養状態の低下、冷えや体力の消耗などを招いて、カゼを引きやすい状態になってしまいます。

月経や出産を経験する女性は、特に「血不足」を起こしやすいので要注意。また、加齢、病後の体力消耗、夏の過剰な発汗、ストレスなども「血不足」の原因に…。

皮膚や髪の毛が乾燥する・ツヤがない、顔色が優れない、脱毛、若白髪、痩せている、めまい、動悸、不眠・不安、便秘気味、舌の苔が少ない…など、気になる兆候がある人は、栄養と睡眠を十分にとる。

鶏手羽、豚足、鮭、木くらげ、人参、ホウレン草、ハチミツ、ヨーグルト、みかん、百合根、クコの実、黒ゴマ、栗など…「血」を養い、体に潤いを与える食材を積極的に食べるなど、日頃から意識して「血を補う習慣」を身につけましょう。

漢方薬では、婦宝当帰膠、麦味参顆粒、杞菊地黄丸、麦門冬湯など。

「治りかけ」が大切

せっかく治りかけたカゼをぶり返さないためにも、きちんと養生を心がけて下さい。この時期の症状は、長引く咳、痰、疲労感、息切れ、皮膚の乾燥、便秘などが特徴です。弱くなった「肺」の潤して機能を高めながら、体内の「気」を補て体力を回復しましょう。

そして、体を冷えから守る、温かい服装を。人ごみを避ける。外出から戻ったらうがい手洗い。十分な睡眠を心がけ、体に疲れを溜めない。暴飲暴食は避けて、バランスのよい食事を。新鮮な野菜をたくさん。小まめな換気で、室内の空気を新鮮に。

そして、板藍根やLEM(シイタケ菌糸培養培地抽出物)なども有効ですよ。