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「人は年間2~5回くらいカゼを引く」

自覚症状を元にしているので信頼度は低いですが、殆どの人は年間1回はカゼを引くと言われています。

熱、鼻汁、咳…外敵とたたかう体の反応

カゼを引くと悪寒がする…これは熱が上がっていく前触れで、熱が上がってしまうと悪寒はなくなります。熱が出るのは、カゼの原因のウイルスが繁殖しているとき、免疫力を上げるために体温を上げ、ウイルスの攻撃に対抗しているわけです。

「一般的なカゼ薬」などで熱を下げてしまうと治りを遅くしてしまう恐れがあり、最近ではよほどのことがなければ解熱しないことになっています。

鼻汁や咳などの症状…これもウイルスを外に出そうという体の反応です。咳などは周囲に感染を拡大する要因にもなりますが、咳止めなどで症状を抑えてしまうと、やはり治りを遅くしてしまうことに…。

こうしてみると、「一般的なカゼ薬」はカゼの治りを早くしていないことが分かります。なので、最も重要な治療法は「自分の免疫力を高めること」ということです。

熱は「体内に入ったウイルスや菌の活動を弱くし、免疫細胞を活発にするため」、鼻汁は「外へウイルスや菌を洗い流したりするため」、咳は「のどに繁殖しているウイルスや菌を外に出すため」の大切な反応。体にとっては早く治るための手助けをしているのですが、低下した免疫力を早く高めてあげることが出来れば、それだけで早く治ることができ、長引かせないことにもつながります。

「正気」と「邪気」、「扶正」と「祛邪」

中医学では、体を構成し、生命活動を維持するのに必要な物質と人体の抗病能力を「正気(免疫力)」、「正気」のバランスを乱し、病気にしてしまうものを「邪気(ウイルスや細菌など)」と呼んでいます。

「正気」と「邪気」は力比べをしているわけですが、単純に考えると、病気になる原因は「正気が弱すぎる場合」か「邪気が強すぎる場合」の2つのどちらかというわけです。

病気にならないためには、免疫力アップの「扶正(ふせい)」と、邪気を取り除く「祛邪(きょじゃ)」の両面から考える必要があります。

「一般的なカゼ薬」は「祛邪」の働きです。ただ、カゼが治りきらない…というのは、「祛邪」ばかりでなく、「扶正」も大切であるからです。

それには十分な睡眠、そしてバランスのとれた食事が大切です。発熱による脱水はウイルスを活発化するので、水分を十分とることも重要。さらに、早く治そうと自分に言い聞かせるのも大事なんだそうです。思い込みも「正気」を上げる可能性があるのだとか。

ただし、「正気」の低下が甚だしい場合は、中成薬(中国漢方)や自然薬、LEM(シイタケ菌糸体)の出番です。