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老化や病気を引き起こす一因と言われる「糖化」。

「糖化」とは

「糖化」とは、糖とタンパク質が結びついて熱が加わったときに起きる現象。人間の体内に限らず、食品の調理でも起きる現象です。

例えばパンケーキ。小麦粉や砂糖(糖)と卵や牛乳(タンパク質)を混ぜてフライパンで焼くと、表面がこんがりキツネ色になりますが、これが「糖化」の一例です。

人の体内では食事で過剰摂取した糖質が血中で余り、体の組織や細胞を構成するタンパク質にベタベタとくっ付きます。これが体温で温められ、糖化が起こる。高血糖状態が長く続くほど「糖化」は進み、やがて体内のタンパク質は「糖まみれになって劣化し、AGEs(終末糖化産物)という、悪玉物質に変わってしまいます。

AGEs(終末糖化産物)

AGEsは茶褐色の物質。体内の様々な組織にAGEsが長い間蓄積すると「老化を早め、体内の機能を低下させることで、様々な病気の引き金ともなります。

例えば肌のコラーゲンが「糖化」し、AGEsが増えると、茶色いシミやシワ、たるみの原因に。血管のコラーゲンが「糖化」すると動脈硬化に、骨のコラーゲンが「糖化」すると骨粗鬆症に、目の水晶体にあるクリスタリンが「糖化」すると白内障になるリスクが高まると言います。

「糖化」と「血糖値」と「ヘモグロビンA1c(HbA1c)」

血液中にあるタンパク質であるヘモグロビン、約4%が「糖化」を受けていると言われています。血糖値が高い人は、この割合がもっと高くなります。

「糖化」を起こしたヘモグロビン量を計測することによって糖尿病のレベルを推測することができるわけですが、これが「ヘモグロビンA1c(HbA1c)」になります。赤血球の寿命は4ヶ月で、新陳代謝で半分入れ替わるのに約2ヶ月かかりますから、「HbA1c」から過去1~2ヶ月の血糖の状態が分かるわけです。

この「HbA1c」がさらに後期反応でAGEsに変わると、赤血球や組織のタンパク質は変性して元に戻らなくなります。

「糖化」は赤血球だけでなく、体内のタンパク質の約30%を占めているコラーゲンにも深刻なダメージを与えると言われます。コラーゲンが「糖化」を起こすと細胞間の結合組織が硬くなり、どんどん変性・劣化していきます。

そのため、血管のタンパク組織がもろくなると動脈硬化の危険性が高まりますが、糖尿病の人は腎臓や目などを構成する細い血管がもろくなり、3大合併症(神経障害、網膜症、腎症)を引き起こすと言われます。

「糖化」の予防には「食べる順番」や「調理法」も大事

それでは、どうすれば「糖化」と「AGEsの蓄積」が抑えられるか…。

AGEsは体内で作られるだけではなく、「AGEs」をたくさん含む食べ物を摂ると、一部が体内に蓄積されるのだとか。代表的なものは、パンケーキのような焼き菓子や肉の加工品など、糖とタンパク質を高温加熱した食品です。

「食後血糖値の上昇を緩やかにすることが大切」なのですが、「糖化」は高血糖状態が続くと起きるためだからです。炭水化物やお菓子、甘い清涼飲料水など糖質の摂り過ぎは血糖値の急上昇を招いてしまいますので、ほどほどに。

また、食べる順番に気を配るのも有効です。サラダや野菜料理を食事の最初に摂るのを習慣に。野菜や海藻、キノコなどに含まれる食物繊維は、糖質の吸収を緩やかにする働きがありますし、よく噛んで食べることも血糖値の急上昇の予防になります。

AGEsは生野菜や刺身など生ものに少なく、トンカツや唐揚げなど油で高温調理した動物性脂肪食品に特に多く含まれます。加熱温度が高いほど発生するので、調理法は「生→蒸す→煮る→炒める→焼く→揚げる」の順でおススメです。

鶏の水炊きのAGE量を1とすると、焼き鳥は6倍、唐揚げは10倍になると言います。

ただし、油を使った調理には「裏技」があり、焼いたり揚げたりする前に、レモン汁や酢など、酸味の強い液体に肉を1時間漬けておくと、「糖化」が抑えられ、AGEsが6割ほど減るという研究報告があるのだとか。

食べるときは…野菜🥬やきのこ🍄を先に。タンパク質、炭水化物の順番で。

調理のときは…生で食べられるものは生で。蒸したり茹でたり、水を使って加熱。焼いたり揚げたりする前に、レモン汁や酢でマリネ。

若々しさと健康を保つために、「糖化」を防ぐ食生活を始めてみましょう。