こんにちは。

2025年、国内の認知症患者数は約700万人になると推定されており、「認知症」は誰もがなりえる病気とも言われています。

「認知症」にはいくつか種類あり、「アルツハイマー型認知症」「血管性認知症」「レビー小体型認知症」が三大認知症と言われています。

アルツハイマー型認知症(約50%)

脳に「アミロイドβ」や「タウタンパク」というタンパク質が異常に溜まり、脳細胞の損傷や神経伝達物質が減少する。これにより脳全体が萎縮して引き起こされると考えられている。主な症状は物忘れなどの記憶障害、時間や場所などの認識が低下する見当識障害、計画を立てる・こなすが困難になる実行機能障害。ただし、個人差も大きいため、この症状が全員一律に出るわけではない。

レビー小体型認知症(約20%)

レビー小体という特殊なタンパク質が脳内に生じることで脳神経細胞が破壊され、それに伴い発症するのがレビー小体型認知症。他の認知症と同じく物忘れなどの記憶障害や見当識障害、実行機能障害がみられる。さらにパーキンソン症状や幻覚、自律神経症状、薬剤への過敏症などがあげられる。個人差があるが、初期は認知機能の低下よりも手足の震えや動きが遅くなったりとパーキンソン症候群特有の症状があらわれる。

血管性認知症(約15%)

脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など)による、脳の血管の詰まりや破れから生じる病気を脳血管障害という。この障害により脳細胞が死滅することで発症する認知症を、脳血管性認知症と呼んでいる。アルツハイマー型と同じく記憶障害や見当識障害などがみられるが、脳細胞の損傷によって身体麻痺や言語障害を伴うことも。また、症状に対して本人の自覚も強く抑うつや、感情のコントロールが出ないため、投げやりな態度になりやすいことも。

ただし、これらは薬である程度の進行を遅らせることはできても、根本的に治す薬は開発されておらず、「認知症」を予防する対策が何より大事。

そこで、「認知症」の予防に良いと考えられている、7つの習慣を紹介させていただきます。

「認知症」を予防する7つの生活習慣

1.バランスの良い食生活

「認知症」を防ぐ食事として「MIND(マインド)食」が注目されています。「認知症」の中でも「アルツハイマー型認知症」のリスクを下げる効果が期待できるのだとか。「MIND食」は、脳の健康を保つために積極的に摂りたい10の食材と、控えた方が良い5つの食材が紹介されており、「MIND食」を発表した研究チームが男女約1000人を約10年に渡り追跡したところ、「MIND食」を取り入れたグループは、「アルツハイマー型認知症」の発症が53%も低いという結果が出たのだとか。「MIND食」を取り入れることで、「アルツハイマー型認知症」の原因となる肥満や高血圧、高コレステロール、循環器病、糖尿病を予防できるため、発症を抑えられると考えられています。

◎積極的に摂りたい食材(食べる頻度を増やす)

  • 緑黄色野菜
  • その他の野菜
  • 豆類
  • ナッツ類
  • ベリー類
  • 鶏肉
  • ワイン
  • 全粒の穀物
  • オリーブオイル

×控えた方が良い食材(食べる頻度を減らす)

  • 赤身の肉
  • バター
  • チーズ
  • お菓子
  • ファストフード

2.適度なお酒

お酒(アルコール)には血管拡張作用があるため、飲酒も適量であれば血流を適度に促し、「認知症」のリスクを下げられると言われています。一方、飲酒量が多くなると、脳の働きに必要なビタミンB1が欠乏したり、脳血管障害になったりして、「認知症」のリスクが高まることが分かっています。過去に5年以上、大量に飲酒を続けた経験があると、「認知症」のリスクが4.6倍になるとの報告もあるほどです。

3.週3回以上の運動

運動をすると脳の血流が良くなることに加え、筋肉の刺激により脳の神経細胞も刺激されて活性化し、新しい神経細胞を生み出す助けになるとも言われています。週に3日以上、有酸素運動などの運動をすると、「認知症」発症リスクを3割も下げるという研究結果も。ウォーキングなどの継続しやすい運動を継続的に行いましょう。

4.質の良い睡眠

「アルツハイマー型認知症」の一因となる「アミロイドβ」の脳からの排出は、睡眠中に脳組織に脳脊髄液が浸透、循環することで行われるため、睡眠不足や浅い眠りが継続することは「認知症」のリスクを高めることが分かっています。

5.禁煙

喫煙は大脳皮質にダメージを与えます。喫煙する人の認知症発症リスクは、吸わない人の2倍とも言われています。長年喫煙していても、禁煙すれば認知症発症リスクは下げられうのだとか。喫煙の習慣は、認知症に限らず、健康にとって「百害あって一利なし」。無理のない範囲で徐々に本数を減らし、禁煙を目指しましょう。

6.オーラルケア

歯周病や虫歯は歯が抜ける原因になり、歯が抜けてしまうと食べ物を十分に噛めなくなって脳への刺激が少なくなります。また、食べられるものも偏ってくるため、栄養状態が悪くなります。これらが原因で歯の本数が少なくなるほど、認知機能が低下しやすいとの調査結果も。

7.社会参加

普段から人との関わり、社会参加することが多い人は、そうでない人に比べて「認知症」になりにくいと言われています。趣味のサークル、ボランティア活動、地域のイベントなどへの参加する場合、計画を立てたり、身だしなみを整えたり、脳をしっかり稼働させます。また、人との会話により刺激を受けることが脳の健康に良いとされています。

これらのことは、特に「認知症」に限ったことではなく、生活習慣病の予防も期待できるものだと思います。自分の体は自分で守る…ということです。