こんにちは。

山口は小雪がちらつく寒い日となりました。今週に入り、一段と寒くなってきたように感じます。

「春は生じ、夏は長じ、秋は収し、冬は蔵する」

中医学では四季をこのように捉え、それぞれの特徴にあった養生法を考えます。

冬は厳しい寒さで陽気が抑えられ、陰気が盛んになる時期。万物が静かに落ち着いている「陰」の季節にあたります。活発な活動でエネルギーを消耗することは避け、「蓄える」ことを第一に。

それと、冬の寒さからくる体調不良の特徴は「冷え」や「痛み」。冬の寒さは自然界の邪気「寒邪」となって体に侵入し、様々な不調を引き起こす原因にもなるので注意が必要です。寒邪の侵入によって体が冷やされると、カゼ、関節の冷えや痛み、四肢の冷えなどの症状があらわれます。

カゼは「風邪」が原因で現れる症状です。風邪は「寒邪」や「熱邪」「湿邪」「燥邪」などのその他の邪気と結びついて体内に侵入するのですが、冬に注意が必要なのは寒邪と結びついた「風寒感冒」。悪寒が強く、発熱、頭痛、体の痛み、無汗(汗が出ない)といった症状が特徴です。

ゾクゾクと悪寒を感じたら、早めの対応が肝腎。

体をしっかりと温めること。体が温まるお鍋に、ネギや生姜など辛みのある薬味を入れて、邪気を発散させるものを一緒に摂るといいです。漢方薬では「葛根湯」や「麻黄湯」「頂調顆粒」などを服用します。

また寒邪が侵入して体が冷えると、関節の冷えや痛み…といった症状があらわれます。激痛を伴うこともあり、冷えると痛みが増すことも。この時期の関節痛は温めることで軽くなるので、とにかく冷えを取り除くことが大切です。体が弱っている人、高齢者は熱をつくりだす力が弱く、そういった人は顔色が青白くなることもあります。

こういった場合、温かい焼酎(少量のお酒)やシナモン、ヨモギなどで冷えを取り除いたり、体を温め血行を良くする食材がおススメです。漢方薬では「独歩顆粒」などを服用します。

また、体を温める身近な方法はお風呂だと思います。

「お風呂」は日本人の生活に合ったストレス解消法でもあり、心地よい刺激を皮膚で受けることで脳の機能を調整、疲労回復やストレスの発散を促しリラックスしてくれます。ぬるめのお湯にゆっくり浸かることで、体も温まり、気血の巡りが良くなり、気に入った入浴剤を入れると、更にそれがUPすると思います。

シャワーだけで済まさず、湯船の中で手足を動かして温まりましょう。

服装もしっかりと保温できるよう工夫し、外出時にはマフラーやマスクでカゼ予防を…。もちろん暖房も効果的ですが、汗をかいてカゼを引くこともあるので、適度な温度設定を。定期的な換気も必要です。

中国には「天寒、暖身、先暖心」という言葉があるそうですが、これは「寒いときは、体よりもまず心から暖める」ということなのだとか。寒い冬こそ、明るく楽しく…ということですね。

「寒さ」に負けない体作りをしていきましょう…。