こんにちは。

朝晩はまだひんやりしますが、日中は暑い日もありますね。

5月5日が「二十四節気」の「立夏」ということで、暦の上ではもう夏です。

年齢を重ねるごとに暑さが体に堪えて…と、夏本番を前に不安を抱えている人も多いのではないでしょうか。

夏は暑さで体力を消耗しやすく、夏バテや熱中症などの不調を起こしやすい季節です。日頃から体力がない、疲れやすい…といった不安がある人は、特に意識してしっかりと体調を整えることが大切です。

夏の養生のポイントは「熱を冷ます」「潤いを養う」「湿を取り除く」「気を養う」こと。

熱を冷ます

厳しい暑さが続く夏は、体に過剰な「熱」がこもりやすくなります。こうした状態は五臓の「心」や「脳」に影響するため、イライラしやすい、怒りっぽいなど精神の不調を起こしやすく、体のほてりで不眠に悩まされる心配も。十分な睡眠が取れないと、疲労回復ができずに夏バテの原因に…。

気になる症状としては、発熱、ほてり、顔が赤い、口渇、イライラ、怒りっぽい、不眠、舌が赤く舌苔が黄色い…など。

こうした不調を防ぐため、日頃から余分な熱を冷ますよう心掛けることが大切です。特に不調を感じていないときも、夏野菜など涼性の食材を積極的に摂るように、冷房を上手に利用し、体内に熱をこもらせない工夫も。

すいか🍉、きゅうり🥒、ゴーヤ、ト🍅、れんこん、緑豆、緑茶、寒天、ところてんなど、「涼性・苦味の食材」で体の熱を冷ましてあげましょう。漢方薬では「白虎加人参湯」や「黄連解毒湯」「五涼華」「板藍根」などがおススメです。

気を養う

夏は厳しい暑さや汗のかき過ぎ、睡眠不足が続き、体力を消耗しやすい季節。

気になる症状としては、疲労感、体重の減少、慢性疾患がある、カゼを引きやすい、冷房に弱い、熱中症、夏バテ、舌の色が淡い…など。

暑さに負けず夏を乗り切るためには、しっかりと体力を保つことが大切。まず体のエネルギーとなる「気」を十分に補うことを心がけて。暑さと湿気で食欲が落ちやすい時期ですが、胃腸を元気に保ってしっかり栄養を摂りましょう。また、潤い食材を積極的に摂るなど、日頃から体内の潤いを養うことも大切です。

小麦、白米、山芋、とうもろこし🌽、いんげん豆、にんじん🥕、大豆製品、卵🥚、鮭など「気を補う食材」を。漢方薬では「麦味参顆粒」や「補中益気湯」「西洋人参」「清暑益気湯」などがおススメです。

特に、夏バテしやすい、疲れやすい、体力に自信がない…といった不安のある人は、体の不調を感じる前に、積極的な体力づくりを。

潤いを養う

暑さの影響を受けて汗をたくさんかくと、「気」と「津液(水)」を消耗しやすくなります。発汗により、「気」が不足して、血液がドロドロになると、血流をコントロールする五臓の「心」に大きな負担がかかります。すると、動悸や息切れ、倦怠感といった不調が起こりやすくなってしまいます。また、「津液(水)」が不足した状態が長く続くと、体の潤い不足が進み、結果として皮膚の乾燥や便秘…といったトラブルにも。

気になる症状としては、多汗、動悸、息切れ、めまい、頭がボーっとする、口渇、皮膚の乾燥、尿が少ない、便秘気味、舌苔の乾燥…など。

基本は汗で消耗した潤いを補給すること。水分補給の際には、汗で失われた塩分をきちんと補給しましょう。また、栄養をしっかり摂って「気」を養うことも心掛けて。

レモン🍋、りんご🍎、桃🍑、白きくらげ、葛、梅、小麦、ヨーグルト、トマト🍅など「酸味で潤いを生み、心を整える食材」を。漢方薬では「麦味参顆粒」や「西洋人参」などがおススメです。

湿を取り除く

ジメジメと蒸し暑い夏は、湿気や水分の取り過ぎなどで、「湿」が体内に溜まりやすくなります。すると、溜まった「湿」が胃腸の働きを低下させて、食欲不振や胃もたれ、下痢といった胃腸トラブルを招くことに。また、胃腸が弱いと栄養を十分に吸収することが出来ず、夏バテもしやすくなってしまいます。

気になる症状としては、頭重、体が重い、浮腫み、食欲不振、胃もたれ、膨満感、胃のむかつき、軟便、下痢、舌苔のベタつき…など。

養生のポイントは、胃腸に負担をかけないこと、胃腸の働きを整えることです。胃腸は「冷え」に弱いので、夏でも食事は温かいもの、飲み物はホットか常温を心がけましょう。水分補給は大切ですが、適量を心がけて飲み過ぎないようにしましょう。

はと麦、そば、緑豆、もやし、春雨、冬瓜、昆布、しそ、みょうが、しょうがなど「湿を取り除き、脾胃を健やかにする食材」を。漢方薬では「勝湿顆粒」や「健胃顆粒」「健脾散」「五苓散」などがおススメです。

早めに体質を整えて、夏を乗り切る体力を整えましょう。