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中医学には「陰陽互根」という考え方があります。

これは「陰」と「陽」が互いに存在し、バランスを取ることで物事が正しく成り立つというもの。

良い睡眠にもこの「陰陽のバランス」が大切で、日中にしっかり活動(陽)することで、夜の安静(陰)がもたらされます。現代社会では夜型の生活も増え、生活のバランスも崩しがちです。

不眠に悩む人は、夜更かしをしない、日中は積極的に体を動かすなど、眠りやすい生活リズムをつくりましょう。

また、日本の夏は暑いし冬は寒い。これも「陰」と「陽」のバランスが崩れる…とも言えるかもしれません。

一般的に不眠のタイプとして、なかなか寝付けない「入眠障害」、夜中に何度も目が覚める「中途覚醒」、朝早く目が覚めてしまう「早朝覚醒」があります。

これを中医学では、なかなか寝付けない「入眠障害」には過剰な「熱」が、夜中に何度も目が覚める「中途覚醒」には「血」が、朝早く目が覚めてしまう「早朝覚醒」には「腎」が関係していると…ザックリですが考えることができます。

寝付けない、イライラしやすい、憂うつ感、体のほてり、のどが渇く…など「入眠障害」のタイプは、ストレスを上手に発散させる必要がありますし、「心」に熱がこもりがちなので、体の中から熱を冷ますこともポイントです。タケノコ、セロリ、ふきのとう、ジャスミン、シソなど「香りの良いもの」でストレスを発散し、「涼性の食材」で清熱を。漢方薬では「加味逍遙散」や「逍遥顆粒」「瀉火利湿顆粒」「温胆湯」「酸棗仁湯顆粒」「柴胡加竜骨牡蠣湯」「ミンハオ」などがおススメです。

眠りが浅い、夜中に目が覚める、夢が多い、慢性的な不眠、熟睡できない、動悸、めまい…など「中途覚醒」のタイプは、しっかりと栄養を摂って足りない「血」を補い、心身の健康を保つことが大切です。黒砂糖、クコの実、なつめ、卵、赤ワイン(少量)、ホットココア、ホットミルクなど「甘味のある食材」で、不足した「血」を補いましょう。漢方薬では「心脾顆粒」や「婦宝当帰膠」「天王補心丹」「甘麦大棗湯」などがおススメです。

早朝に目が覚める、夜間の頻尿、腰痛、耳鳴り、物忘れ、強い冷え、更年期症状…など「早期覚醒」のタイプは、ストレスを感じなければ特に気にすることはありませんが、若々しく元気な体を保つためにも「腎」の養生は大切です。アーモンドやクルミなどの木の実、ヤマイモ、黒ゴマ、羊肉など「腎」を養う食材で老化の予防を。漢方薬では「金匱腎気丸(八味地黄丸)」や「杞菊地黄丸」「瀉火補腎丸」「桂枝加竜骨牡蠣湯」「天王補心丹」「海精宝」「ミンハオ」などがおススメです。

一般的に睡眠時間は7~8時間が目安とされていますが、この時間に強くこだわる必要はないそうです。自分に合う睡眠時間は人それぞれなので、スッキリ目覚めて日中を元気に過ごすことができれば大丈夫。人より短くても問題はないし、年齢を重ねると睡眠時間は減るのが普通です。「ぐっすり眠って、気持ちよく目覚める」。質の良い睡眠を大切にしましょう。