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五行学説で夏に当たる臓器は「心」。

厳しい暑さで汗をたくさんかくと、体内の「水分」や「気(エネルギー)」を消耗してしまいます。すると、「心」のエネルギーも足りなくなって、動悸や息切れ、疲労感などの不調を感じるように。また、血の水分が不足してドロドロ血になると、血流の悪化や血管の詰まりを招いてしまうことも…。

「心」や血管に負担がかかり、心筋梗塞や脳梗塞、不整脈などを起こしやすくなるため、特に生活習慣病を患っている人は注意が必要です。

また、「心」は「火」を司り、脳の働きと深く関わる臓器でもあります。そのため、暑さで「心」が疲れると、体に余分な熱がこもり、不眠やイライラといった精神的な不調も起こりやすくなります。

全身の臓器や組織に血を巡らせる「心」。その働きが弱くなると、体の不調の原因にもなります。

そんな「心」の養生。ポイントは「しっかり潤いを補給する」「血流を良くする」「体内の熱を冷ます」ことです。

しっかり潤い補給し、「心」を守る

五行学説で夏に当たる「心」は、暑さの影響をとても受けやすい臓器。中医学では「汗は心の液」といって、汗をかいて体の熱を発散させることで、「心」が受ける暑さの影響を取り除いてくれます。なので、適度な発汗は「心」の働きを守るためにも大切なことなのです。ところが、あまり大量に汗をかくというのは「水分」だけでなく「気」まで消耗することで、動悸や息切れ、疲労感、皮膚の乾燥、便秘…といった不調につながります。

体力不足や過労を感じている人、病後や慢性疾患などで体が弱っている人、屋外で作業やスポーツをする人…は注意が必要です。

レモン🍋、梅、トマト、いちご、ヨーグルト、あんずなど「潤いを生み、汗の流出を防ぐ」食材や、小麦、山芋、豆腐、桃🍑など「心を養う」食材を。漢方薬では「麦味参顆粒」や「西洋人参」「百潤露」「炙甘草湯」などがおススメです。

血流を良くするし、「心」の負担を軽くする

汗をたくさんかいて体内の「水分」が消耗すると、「血」の潤いも不足してドロドロ血を招く原因に。「心」は「血」を全身に巡らせる働きを担っているため、ドロドロ血による血流の悪化や血管の詰まりは、「心」の大きな負担となります。屋外のスポーツなどで大量の汗をかいたとき、冷房で急激に体が冷やされたときなどは、特にドロドロ血や血管の詰まりを起こしやすいので注意です。

高血圧、狭心症、高脂血症、動脈硬化症など生活習慣病を患っている人、運動不足の人…は注意が必要です。

タマネギ、らっきょう、シナモン、サンザシ、カレー、赤ワインなど「血流をサラサラにする」食材を。漢方薬では「冠元顆粒」「田七人参」などがおススメです。

体内の熱を冷まし、「心」の精神安定を守る

「心」は脳の活動と深い関わりがあり、精神や睡眠をコントロールする役割を担っています。夏の暑さで体内に熱がこもりやすく、イライラや情緒不安定、不眠といった不調に悩まされることも…。睡眠不足で体力が落ちると、夏バテしやすくなります。心も体も元気に夏を過ごすためにも、潤い補給をしながら、体の中の余分な熱を冷ますことも大切です。

ストレスが多い人、イライラしやすい人、情緒が不安定な人、寝つきが悪い人…は注意が必要です。

冬瓜、きゅうり🥒、ゴーヤ、スイカ🍉、トマト🍅、レンコン、緑豆、ハトムギ、緑茶など「体の熱を冷ます」食材や、ゆり根、ハスの実、カキなど「不眠を改善する」食材を。漢方薬では「白虎加人参湯」「黄連解毒湯」「五涼華」「天王補心丹」などがおススメです。

暑さに負けず「心」を元気に保つことができれば、不調を感じやすい夏も安心して過ごすことができます。体調には特に不安がないという人も過信をせず、日頃から養生に心掛けましょう。