こんにちは。

140322_1

鼻の病気と言えば、春先のこの時期には「花粉症」でお悩みの人が多いですね。その他、カゼ・アレルギー性鼻炎・蓄膿症など、鼻でお悩みの方は多いです。

現代医学でもなかなか解明されていないのが、耳鼻科と言われる領域なんだそうです。

長い歴史を持つ中国漢方では、鼻汁の色、質、量から、鼻の症状の特徴を弁別するほか、体全体の状態を見て治療します。

水っぽくて透明な鼻水が出る場合は、体が冷えたり、寒さが原因でおこるタイプで、温めるタイプの鼻炎の漢方薬がよく効きます。「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」が有効なのはこのタイプです。

一方、粘っこく、黄色い鼻水、鼻づまりがひどい場合は、体に熱をもち、炎症がおこっているタイプで、蓄膿症はこのタイプです。蓄膿症は、細菌の感染によって起こる副鼻腔炎で、頭痛なども伴い、思考力も低下させます。

140322_2

このタイプは、炎症による熱を抑え、細菌の繁殖を防ぎ、溜まった膿を出す「鼻淵丸」がよく効きます。

「鼻淵丸」の処方構成は、大きく2つのグループに分かれています。1つは「菊花(きくか)」「金銀花(きんぎんか)」などの、炎症を抑え、抗ウイルス・抗菌作用をもつ生薬。もう1つは「辛夷(しんい)」「蒼耳子(そうじし)」などの、鼻腔の通りを良くする生薬です。

香りの強い揮発性のある生薬は、鼻や肺など上部に作用しやすい…と言われています。例えば、「花びら」や「つぼみ」など、香りのある生薬を煎じると、そのニオイだけで鼻のつまりが通ることがあります。

加えて、辛味のものに鼻のつまりを通じさせる作用があります。ワサビを食べるとツーンと独特の刺激があるのも、そのためです。

このように、「花びら」や「つぼみ」など体の上部に作用する生薬と「辛味」の生薬の入った「鼻淵丸」は、膿汁を排泄して、鼻のつまりを通し、鼻粘膜の炎症を改善させてくれます。

もともと慢性鼻炎の方で、鼻づまりがなかなか治らずご相談されたので、「鼻淵丸」をのんでもらいました。

なかなかすぐには期待したような効果が出ませんでしたが、頑張って1ヶ月続けて飲まれ、つらかった鼻づまりはなくなりました。その後は調子よく、症状も安定しているようです。

140322_3

慢性的な場合には「鼻淵丸」。即効性を出すにはシロップである「鼻淵膏(びえんこう)」がおススメです。

鼻の症状は、まず「寒」か「熱」かを見分けることが大切です。