こんにちは。

先日テレビを観ていたら、映画産業が盛んなカナダ・トロントでフォーリーアーティストとして活躍する小山吾郎さんが紹介されていました。フォーリーアーティストとは、ドラマや映画に効果音をつける仕事。ドラマや映画のほぼ全てが音を後から付けて出来ているそうです。スタジオには音を作るための道具が所狭しと並んでいました。マイクの前で、映像を観ながら音を作っていく作業は、とても観ていて面白かったです。本物よりも本物らしい音を目指して、お仕事をされています。小山さんは、この仕事が評価されてテレビ界のグラミー賞と言われているエミー賞を受賞されたそうです。すごいですよね!

観ていて面白かったのは、布の袋に入った片栗粉、セロリ、氷枕など意外なものが音作りに使われていた事です。布袋の片栗粉は踏むと積もった雪の上を歩いている音に、セロリは刃物で刺すと人が刺された音に(グロい音はセロリを使うそうです)、氷枕は床にこすり付けると車がドリフトした時の「キュー!」ていう音に聞こえます。音を見つけるっていうのは、すごいですね。それが分かると、ボクたちも何気なくついている効果音にも興味が出てきます。

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その時に思い出したのが、三谷幸喜の初監督作品「ラヂオの時間」でした。1997年の作品です。どんな内容かと言うと、

主婦・みや子(鈴木京香)はラジオドラマの脚本コンクールに出品した作品が採用されます。熱海を舞台にした平凡な主婦と漁師の恋の物語なのですが、生放送の本番直前に主演女優(戸田恵子)が不満を言い始め、シナリオがどんどん書き換えられていくというストーリーです。舞台がアメリカのシカゴになり、主人公は女弁護士とパイロットに変わり、途中でどんどんつじつまが合わなくなり、急場をしのぐ形でどんどんストーリーは展開していきます。

その中で、伝説の音響効果マンにして現在ラジオ局の守衛(藤村俊二)が活躍します。ラジオなので、音で臨場感を出すのですが、身の回りの物を駆使して即興で音を作り上げる所なんかは、圧巻です。追い詰められながらも、何とかピンチを乗り切るところは、ハラハラドキドキ。でも、それがすごく笑えます。

三谷幸喜さんの作品は好きなんですが、とくにボクは「ラジオの時間」が一番好きです。面白いですよ。