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ストレスの影響を受けやすいのは、何といっても「胃腸」でしょう。

胃腸機能を調整する生薬としては、「陳皮(ちんぴ)」や「枳殻(きこく)」がよく使われます。これらはともにミカンの仲間です。

ミカンの皮は、七味唐辛子の中に入っているように、日本でも古くから胃腸薬として利用されています。

最近流行しているアロマテラピーでも、柑橘類はストレスを取り除き、気分を落ち着かせるはたらきがあるとされ、広く利用されています。

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「陳皮」は温州ミカンの皮。「陳」という言葉には、「古い」という意味があります。そして、古いほどいいとされています。褐色になるまで寝かせた「陳皮」は、香りも良く、治療効果が優れていることからこう名付けられました。

「陳皮」の主なはたらきは「理気健脾(りきけんぴ)」、胃腸のはたらきを活発にして栄養分の吸収を高める…というものです。

ストレスのため胃腸の気の流れが悪くなったり、これによって生じた、食欲不振、腹部の膨満感、むかつき、嘔吐、下痢などの症状を改善します。

「陳皮」には、「補気(ほき)」と言って、元気にするはたらきはありませんが、胃腸のはたらきを活発にして、栄養分の吸収を高めることができることから、元気をつける「補気薬」と一緒にのむことがあります。

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一方の「枳殻」はダイダイ・タチバナなどの実で、未成熟のうちに採取したものを「枳実(きじつ)」、成熟したものを「枳殻」と言います。

「陳皮」に似たはたらきがありますが、その効果は「陳皮」よりも強く、お腹が脹って痛む、腸のはたらきが悪く下痢あるいは便秘になる、スッキリ排便ができずに残便感がある、ゲップやガスが多いなどの症状がある場合に使われます。

しかし、作用が強いので、虚弱体質の人は長期間、多量の使用は慎重にしないといけません。

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この「陳皮」と「枳実」の入った漢方薬に「開気丸(かいきがん)」があります。胃やお腹が脹る、脇に何か詰まったような不快感がある、ゲップやガスが多い場合にはおススメです。