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激しいストレスや、ストレスが長期間加わり、「気」が一ヶ所にうっ積すると、「熱」が生まれます。

「熱」はやがては上に向って燃え広がり、のぼせ、顔や目が赤い、動悸、息苦しい、イライラして気持ちが落ち着かない、不眠、頭痛…などの症状が起きることも。

現代医学では、高血圧傾向にある方にこのような症状がよくあらわれるようです。

中医学では「肝陽上亢(かんようじょうこう)」あるいは「肝火上炎(かんかじょうえん)」などと言います。

このような状態では、やがて脳に影響して脳出血やクモ膜下出血などを引き起こす可能性が強いと言われています。

燃え上がった火を鎮静させて高ぶった気持ちを鎮めることを「平肝潜陽(へいかんせんよう)」あるいは「重鎮安神(じゅちんあんじん)」と言い、治療として重量があり下へ沈む(重しで押さえつける)性質のある「竜骨(りゅうこつ)」「牡蠣(ぼれい)」などが使われます。

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「竜骨」は古代のほ乳類の化石で、古くは不老不死の薬として皇帝にもけんじょうされたこともあります。また、有名な甲骨文字は「竜骨」に刻まれたものから偶然発見されたもののようです。

普段からのぼせやすく、めまい、頭痛がよく起き、興奮して眠れないことが多いなどの症状を伴う場合に効果があります。

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また、「牡蠣」は「海のミルク」とも呼ばれるくらい栄養豊富なカキの殻です。漢方薬としては、その身よりも殻の方がよく使われます。

カルシウムが不足するとイライラしやすくなる…ということはよく知られていますが、「牡蠣」にはカルシウムが豊富です。

「肝陽上亢」では、めまい、頭痛だけでなく緊張のため手が震えたり、体がこわばって思うように動けないことがあります。このような状態は、まるで体の中を風が吹き、活動の自由が奪われたようなので「肝風内動(かんぷうないどう)」と呼びます。

「牡蠣」には高ぶった気を鎮めるだけでなく、熱によって消耗した潤いを補い、肝の機能を調節して震えを軽減するはたらきがあります。

「竜骨」「牡蠣」の入った漢方薬に「柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」「桂枝加竜骨牡蠣湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)」などがあります。

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また、「牡蠣」の入ったカルシウム剤として「新ササカール」があります。「牡蠣」の精神を安定させるはたらきや、ストレスを抑えて血圧を安定作用があることが、他のカルシウム剤と違うところです。加えて、乾燥酵母も入っているので、とても吸収しやすいカルシウム剤なんです。