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こんにちは。

皆さんは、グレイトフル・デッドというバンドをご存知ですか?

ライブは録音OK!音楽は無料で聴き放題。それなのに年間5000万ドルも稼ぐ。40年前からフリーもシェアも実践するヒッピーバンド、それがグレイトフル・デッドです。

グレイトフル・デッドは、1960年代にアメリカのサンフランシスコで生まれたバンドです。ビートルズやローリンング・ストーンズと同じ位の歴史があります。ただ、ヒット曲もないし、ジョン・レノンやポール・マッカートニーやミック・ジャガーやキース・リチャードのようなスターもいない。でも、アメリカでとっても人気のあったバンドです。

ヒッピーカルチャーの代表のようなグレイトフル・デッドには、熱狂的なファンが沢山いて、彼らは「デッドヘッズ」と呼ばれています。著名人の「デッドへッズ」には、ビル・クリントン、アル・ゴア、スティーブ・ジョブズ、キース・へリング、ウーピー・ゴールドバーグ、フィル・ジャクソンなどがいます。この本の著者も「デッドヘッズ」です。

グレイトフル・デッドの全米コンサートはさながら移動する街よう。大勢のファンたちが、そしてファンを相手にする商人たちが、ぞろぞろとグレイフル・デッドの後をついていく。放牧的で、一見、時代遅れで、ビジネスのにおいを感じさせないが。なのに、「結果として」、彼らの活動は、大きな市場を生み出し続けている。1965年から、リーダーの無くなる1995年、そしてその後も…。

なぜ?このなぜ?に対する「答え」がこの本のテーマです。

彼らの行った革新的なマーケティングの数々は、同年代のロックバンド(とレコードレーベル)がそれをやっていることの、まさに正反対でした。

同年代のロックバンドがレコードでその収入を得ていたのに対し、グレイトフル・デッドはライブで収入を得ていました。また、グレイトフル・デッドは、ツアーの音楽は録音をするのを許し、自分たちの作品を「シェア」してもらい、それを聴いた人たちがまたファンになり、コミュニティが生まれ、結果としてグレイトフル・デッドの音楽活動は、大きな市場になったそうです。

また、グレイトフル・デッドは熱狂的なファン「デッドヘッズ」をとにかく大事に、特別扱いしました。ライブの一番いい席は、ファンの中でしか知られていない方法で販売されていました。グレイトフル・デッドから直接チケットを買う事ができ、確実にファンが最前列の席を取れるようにしたのです。また、フェイスブックやツイッターのない時代に、ファンとの交流を会報などでとり、他のファンよりもグレイトフル・デッドのことをチョット知る事ができました。

それ以外にもありますが、21世紀の今だから、得るものが多い本だと思います。オバマ大統領から、スティーブ・ジョブズまで、米国トップは皆グレイトフル・デッドから学んでいた!と本の帯に書いてありました。面白い本です。