こんにちは。

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漢方の処方を構成する生薬には、様々な配糖体が有効成分として含まれています。

この配糖体は、それ自体では人の消化酵素では分解されず、生体内利用率が著しく低いそうです。

しかし、配糖体は腸内細菌による代謝(加水分解)を受けることで親油性が高まることにより、はじめて吸収され、薬効を発揮することになるんだそうです。

腸内細菌叢の構成は個人差が大きく、また加水分解率も一定せず、薬効における個人差を引き起こす一因にもなっているんだとか。

配糖体はプロドラッグ(薬効があらわれる前駆体:薬効がマスクれたもの)と考えられ、配糖体が腸内で効率よく加水分解される…ことが重要視されています。

甘草(かんぞう)では「グリチルリチン(配糖体)→グリチルリチン酸」、芍薬(しゃくやく)では「ペオニフロリン(配糖体)→ペオニメタボリン」、柴胡(さいこ)では「サイコサポニン(配糖体)→サイコサポゲニン」、人参(にんじん)では「ジンセノサイド(配糖体)→M1(K)~M12」、黄芩(おうごん)では「バイカリン(配糖体)→バイカレイン→バイカリン」、大黄(だいおう)では「センノサイド(配糖体)→レインアンスロン」、山梔子(さんしし)では「ゲニポサイド(配糖体)→ゲニピン」。

ボクは、いつも成分だけを考えて処方をしてはいませんが、このような研究がされていることに興味があります。

そもそも、腸内細菌は体質ならびに食生活の影響を受けやすいし、腸内細菌叢の構成と言うのは個体差が大きく、肉食中心の欧米人と穀物中心の東洋人とでは、顕著な違いというのも認められているようです。

ひとりひとりの細菌量にも差があり、配糖体の加水分解能にも個人差が認められている…とのこと。

なので、食養生が漢方の効き目を左右する…ということにもつながるんだと思います。より食事の大切さを痛感しました。