こんにちは。

中医学では、舌は健康の状態を映し出す「鏡」だと考えています。

舌を観察すると、その人の体の具合…とりわけ内臓の状態が分かります。

体の中の水分代謝の状態は、舌の表面につく苔(舌苔)にあらわれます。

健康な人の舌はキレイなピンク色をしていて、苔は薄い白色で適度に潤っています。

舌苔は自然界の苔とよく似ています。

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湿気の多いところにある岩場では厚い苔がつきますし、乾燥しているところには苔が生えず、地面にヒビ割れが出たりします。

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ボクたちも同じように、体内に余分な水分(湿)がたまると、舌の表面にはベットリと厚い苔がついて、形もむくんで大きくなります。

逆に水分が不足すると苔は少なくなり、ひどい場合には苔が全部なくなり、表面が鏡のようにツルツルの状態になります。また、ヒビ割れの溝ができることもあります。

・舌の形
・むくんで大きい、舌の両側に歯型がついている→余分な水分(湿)が溜まっている
・表面にヒビ割れの溝→水分が不足

・苔の厚さ
・厚い苔→余分な水分(湿)が溜まっている
・表面がツルツル、苔が少ない→水分が不足

内臓から発信される健康情報を的確にチェックできれば、早めに対策を講じることができます。

梅雨どきは、特に舌苔が厚い人が多くなります。それは、胃腸に余分な水分が溜まるため。

普段から胃腸が弱く、食欲不振、お腹が脹る、下痢気味の人は、消化器系のはたらきを高める「健胃顆粒(けんいかりゅう)」などの漢方薬を。

水分の摂り過ぎで苔が厚くなり、胃がポチャポチャしたり吐き気がするときは、「平胃散(へいいさん)」や「勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)」などの漢方薬がおススメです。「平胃散」は強力な乾燥機のようなはたらきで、「勝湿顆粒」は脱臭剤付きの除湿機のはたらきをします。

舌苔の厚い人は、日頃から水分、冷たいもの、脂っこいもの摂り過ぎには注意です。