こんにちは。

ステロイドの塗り薬(外用剤)がはじめて世に登場したのが1952年。今から60年前のことだそうです。「酢酸ヒドロコルチゾン」という、ステロイドのランクで言うと1番弱いクラスのステロイド外用剤が、初めて使われたんだとか…。

それ以降、数年間に様々な種類のステロイド外用剤が次々と開発され、今では「最強(Strongest)」「非常に強い(Very Strong)」「強い(Strong)」「穏やか(Midium)」「「弱い(Weak)」…と5段階に分けられるようになりました。

「Strongest:最強」…デルモベート、ダイアコートなど。

「Very Strong:非常に強い」…ネリゾナ、マイザー、アンテベート、フルメタ、ビスダームなど。

「Strong:強い」…リンデロンV、ベトネベート、フルコート、リドメックス、ボアラなど。

「Midium:穏やか」…キンダベート、アルメタ、ロコイドなど。

「Weak:弱い」…プレドニゾロン、デキサメタゾンなど。

ステロイド外用剤の強さは、血管を収縮させる指数であらわされます。

「Strong」のフルコートを100とすると、「Strongst」のデルモベートは1862…だそうです。デルモベートを10倍に薄めたとしても、まだフルコートの方が弱いことになります。

なので、皮膚科でステロイド外用剤が出される場合は、「炎症の程度」や「出来ている部位」によって選択されるわけです。部位により、吸収力が違うからです。

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部位による吸収力にも指標があって、「腕の内側を1」とすると、吸収力は上から、「頭皮3.5」「額6.5」「ほお13.0」「あご6.0」「背中1.7」「脇の下3.6」「前腕(外側)1.1」「手のひら0.83」「陰のう42.0」「足首0.42」「足裏0.14」…という具合です。それだけ吸収力に差があるんです。

もちろん、大人と子どもでも違います。乳幼児の場合、「Strong:強い」~「Weak:弱い」のレベルのものが選ばれるのが一般的です。

ステロイド剤は短期集中として、必要なときには使う…ということです。炎症が落ち付けば、ランクを1段階落としたり、思い切って何日か休んだり…。とにかく、ダラダラ使わないことです。

よく、ステロイド外用剤が保湿剤と混ざっているケースがありますが、できればステロイド外用剤だけで分けた方がいいと思います。ダラダラと使う原因にもなるからです。また、混ぜることで吸収力にも違いが出るとも言われています。ステロイド外用剤は保湿剤ではありません…。

ステロイド外用剤は、少量をこすらず、チョンチョンと置くようにして薄く伸ばしてあげることです。力を入れて塗ったりこすったりすると、刺激で赤くなったり、痒くなったりするので…。その場合、「薬指」で塗ってあげると、力が入り過ぎず、肌に負担になりません。

症状を確認しながら、「面」から「点」…と言う具合に、少しずつ使う「範囲」や「量」を減らして行くことと、毎日から1日おきや2日おきなど、使う回数を減らして行くことが大切です。

スキンケアをした上に、ステロイド外用剤を塗る…というやり方。スキンケアに重心を置いて行くべきです。スキンケアで皮膚のバリア機能を高めてあげることが大切で、再発の予防にもなります。