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「発熱」は、体を守るために起こる生体防御反応…。

体温は普段、脳の視床下部にある体温調節中枢によって一定に保たれています。しかし、ウイルスや細菌などが体内に入り込むと、白血球が攻撃し、同時にサイトカインを産生…。サイトカインが視床下部にある体温調節中枢を刺激すると、中枢から体温を上げる指令が各所に送られる…というわけです。

つまり、「発熱」の役割とは「病原菌の増殖を抑制する」「白血球を活性化する」「免疫機能を高める」ことにあります。

ウイルスや細菌は低温で繁殖しやすいため、高温になると繁殖が抑制されますし、自分の免疫力も高まる…。体を守るために起こる生体防御反応なので、「発熱」自体は悪いものではありません。

「発熱」時、熱の高さだけではなく、年齢、症状、機嫌がよいか、元気があるかが判断の目安です。

子どもの場合、皮膚が薄いため平熱は大人よりも高めです。深部温は大人も子どもも38℃前後なのですが、深部温は様々な組織や皮膚の細胞を通り、皮膚の表面では低くなります。子どもは皮膚が薄いため皮膚温は37℃前後、皮膚が厚くなるに従って皮膚温は薄くなり、大人になると36.5℃くらいに…。

また、子どもは体重の割に体の表面積が大きいため、暑い環境では熱を取り込みやすい傾向があります。また汗腺が未発達で小さく、汗をかけない代わりに、皮膚から熱を放散して体温調節を行います。そのため、もともとが体温の上がりやすい状況にあるわけです。

3歳くらいまでの子どもは免疫力が弱く、カゼや「発熱」を繰り返します。また子どもはウイルスを排除する力も弱いため、カゼを引くと中耳炎、気管支炎などの合併症を引き起こしやすくなります。3歳くらいまでの「発熱」は特に注意が必要です。

そのため解熱剤を使用する目安として、38.5℃以上の発熱が続き、「機嫌が悪い」「食事がとれない」「夜間睡眠がとれない」といった症状があれば使用を考えます。38.5℃以上でも、元気があり、食事や睡眠がとれるようなら必要はないかもしれません…。逆に、体温がそれを高くなくても、機嫌が悪かったり、食欲がなかったりする場合は使用することも…。

熱があるから病気なのではなく、具合が悪そうだから熱を測り、高熱だからと慌てないことが大切です。