こんにちは。

一般的に子どもの病気だと思われていたアトピー性皮膚炎…、20歳未満の割合が40%以上と、今や大人の方が多い病気なんだそうです。

日本皮膚科学会のアトピー性皮膚炎の診断基準は、「痒み」「年齢に応じた特徴的な皮疹」「長期持続(乳児では2ヶ月以上、それ以外では6ヶ月以上)」の3つ。

さらに日本皮膚科学会では、「角層の異常に起因する皮膚の乾燥とバリア機能異常」がベースとなり「非特異的刺激および特異的アレルギー反応」が関与して起こる湿疹や皮膚炎と定義されています。つまり、バリア機能異常が先でアレルギーは後から起こる…ということのようです。

また、近年の研究ではアトピー性皮膚炎とバリア機能異常の関係も明らかとなってきていて、皮膚のバリア機能と水分保持作用をもつタンパク質「フィグラン」の遺伝子異常が関係していて、アトピー性皮膚炎の患者さんの30~50%に「フィグラン」遺伝子異常があり、バリア機能が低下している…ということだそうです。バリア機能が破綻するとアレルゲンやその他様々な刺激物が侵入しやすくなり、皮膚内で炎症症状が起こります。

「アレルギーがあるからアトピー性皮膚炎になる」という考え方から、「肌を健やかな状態にしておくことが、アレルギー症状を予防する」…という考え方のようです。

ボクもスキンケアはとても大切であると思います。

乾燥するこの時期は、乾燥からバリア機能の低下が起こり、ホコリやダニ、紫外線や化粧品などが肌の内部に入りやすくなります。これが肌荒れや化粧品かぶれ、敏感肌の原因となることも…。

患者さんの多くはアトピー素因をもつ…ともあります。アトピー素因とは、①家族歴・既往歴(気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎、アトピー性皮膚炎のうちいずれか、あるいは複数の疾患)があること、または②IgE抗体を産生しやすい素因を指します。

やはり、バリア機能異常だけが原因で成人のアトピー性皮膚炎が増えているとは思えず、食事や睡眠、ストレスなども考えないといけないと思います。

中医皮膚病のスクリーニングで、雲南中医学院第一附属病院の葉先生の講演の中でも、「アトピー性皮膚炎の人の多くはドライスキンを伴っているので保湿は大切、また刺激を避けることが必要」とおっしゃっていました。

加えて「脾虚湿滞は病の本、風湿熱邪は病の標」ということ。もともとの素体不足や不摂生、消化機能の低下により体に水湿が停滞し化熱して発症する…ということです。

つまりスキンケアは大切だけど、食事や睡眠も大切で、場合によっては漢方薬を併用していく方法が大切だということです。