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漢方薬の分類とそのはたらき

こんにちは。

中医学は「四診(ししん)」から情報を収集します。「四診」とは、「望診(ぼうしん)」「切診(せっしん)」「聞診(ぶんしん)」「問診(もんしん)」です。

「四診」によって体の情報を収集し、「八綱弁証(はっこうべんしょう)」「臓腑弁証(ぞうふべんしょう)」「気血津液弁証(きけつしんえきべんしょう)」「病因弁証(びょういんべんしょう)」などの方法を駆使してその情報を分析して証を求め、証に応じて治療法を考案します。このことを「弁証論治(べんしょうろんち)」と言い、中医学の特徴でもあります。

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漢方薬も治療法にそって、「解表(げひょう)剤」「和解(わかい)剤」「清熱(せいねつ)剤」「温裏(おんり)剤」「去湿(きょしつ)剤」「去痰(きょたん)剤」「理気(りき)剤」「理血(りけつ)剤」「安神(あんじん)剤」「補益(ほえき)剤」などに分類してくことができます。

「解表剤」は、病邪が体の内部に及んでいない初期の症状に用い、寒気、悪寒、鼻水、くしゃみなど表証の症状を、主に発汗によって取り除くための薬です。
「解表剤」の代表的な薬は、「桂枝湯(けいしとう)」「麻黄湯(まおうとう)」「葛根湯(かっこんとう)」「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」「麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)」「天津感冒片(てんしんかんぼうへん)」「勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)」など。いわゆるカゼ薬…として使われるものがほとんどです。

「和解剤」は、体の表裏・営衛・臓腑間の相互関係がうまくいかないときに、その不和を調整する薬です。
「和解剤」の代表的な薬は、「小柴胡湯(しょうさいことう)」「柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)」「四逆散(しぎゃくさん)」「加味逍遥散(かみしょうようさん)」「半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)」など。

「清熱剤」は、体が熱っぽい、発熱、口渇、尿の色が濃くて量が少ない…など「熱証」に対して熱を冷ますはたらきがあります。特に急性の皮膚病に「清熱剤」を用いることが多いです。
「清熱剤」の代表的な薬は、「清営顆粒(せいえいかりゅう)」「瀉火利湿顆粒(しゃかりしつかりゅう)」「五涼華(ごりょうか)」「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」「温清飲(うんせいいん)」「白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)」など。

「温裏剤」は、体を温め体の内部の冷えを改善するはたらきのある薬です。
「温裏剤」の代表的な薬は、「小建中湯(しょうけんちゅうとう)」「大建中湯(だいけんちゅうとう)」「人参湯(にんじんとう)」「呉茱萸湯(ごしゅゆとう)」など。

「去湿剤」「去痰剤」は、ともに体内に溜まった過剰な水分を除く薬です。過剰な水分のうち、凝集したり粘り気をもつものを痰と呼びますが、「去湿剤」と「去痰剤」は、基本的には水分の代謝をよくする作用の薬です。
「去湿剤」の代表的な薬は、「独歩顆粒(どっぽかりゅう)」「防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)」「五苓散(ごれいさん)」「猪苓湯(ちょれいとう)」「苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)」など。
「去痰剤」の代表的な薬は、「温胆湯(うんたんとう)」「半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)」「二陳湯(にちんとう)」など。

「理気剤」は、気のうっ滞をなくし、機能の停滞を除くはたらきのある薬です。気は全身を巡っていますが、うっ滞すると機能の停滞につながり、痛みや張るなどの症状が出ます。
「理気剤」の代表的な薬は、「開気丸(かいきがん)」「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」など。

「理血剤」は、血液の流れをよくする薬です。血液の流れが悪くなると、体に痛みや腫瘤などを引き起こす原因となります。
「理血剤」の代表的な薬は、「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」「温経湯(うんけいとう)」「桃核承気湯(とうかくじょうきとう)」など。

「安神剤」は、精神安定、鎮静を目的とする薬です。「安神剤」は、重鎮安神薬(鉱物、貝殻などの薬物)と滋養安神薬(滋養強壮作用をもつ植物薬)など沈思作用のある生薬を主としています。
「安神剤」の代表的な薬は、「酸棗仁湯(さんそうにんとう)」「柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」「天王補心丹(てんのうほしんたん)」「甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)」など。

「補益剤」は、不足しているものを補う薬です。何が不足しているかにより「補気剤」「補血剤」「補陰剤」「補陽剤」があります。「補気剤」は体の機能低下(気虚)に対して、「補血剤」は栄養不足や血液不足(血虚)に対して、「補陰剤」は体液不足(陰虚)により生じた乾燥や熱性の諸症状に対して、「補陽剤」は老化や虚弱体質などで冷えを伴う(陽虚)ものに対しての薬です。
「補気剤」の代表的な薬は、「健脾顆粒(けんぴかりゅう)」「麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)」「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」「衛益顆粒(えいえきかりゅう)」など。
「補血剤」の代表的な薬は、「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」「四物湯(しもつとう)」「心脾顆粒(しんぴかりゅう)」など。
「補陰剤」の代表的な薬は、「杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)」「八仙丸(はっせんがん)」「瀉火補腎丸(しゃかほじんがん)」など。
「補陽剤」の代表的な薬は、「至宝三鞭丸(しほうさんべんがん)」「参茸補血丸(さんじょうほけつがん)」「八味地黄丸(はちみじおうがん)」「牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)」など。

今回、大まかにメインとなるはたらきに分類しただけで、そのはたらきだけしかない…というわけではありません。いくつか合わさっている漢方薬の方が多いです。

ただ、どんなはたらきか…が分かると、よりのんでいる漢方薬を理解しやすいと思います。

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