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中医学の診断方法「八綱弁証(はっこうべんしょう)」

こんにちは。

中医学において、病気や治療法を考えていく上で、その根底をなしているものは「陰陽」のバランスの考え方かもしれません。

陽の性質としては、「外に向かう」「上昇する」「躍動的」「重量が軽い」「明るい」「熱を生む」「乾燥する」…など。一方、陰の性質としてはその反対で、「内に集まる」「下降する」「重量が重い」「濃度が濃い」「暗い」「水を生む」「湿潤を生む」…などです。

中医学で考える「健康」とは、すなわち「陰陽」のバランスがとれている状態で、「病気」は正常な状態と比べ「陰陽」のバランスが崩れていることを意味します。

したがって、治療の本質とはバランスをとる(調和させる)ことだと考えます。

実際にその「陰陽」のバランスの崩れを判断するには、「病気の位置が浅いか深いか(表裏)」「寒証か熱証か(寒熱)」「邪気の過剰が原因か正気(抵抗力)の不足が原因か(虚実)」の状態で判断していきます。

「表証」「熱証」「実証」は陽、「裏証」「寒証」「虚証」は陰に分類されます。

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この「どこで(表裏)」「何がどうして(寒熱)」「どうなっているのか(虚実)」を分析する物差しとなるのが「八綱弁証(はっこうべんしょう)」です。

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表裏
病気の位置が浅い部分のことを「表」と言います。皮膚、毛穴、粘膜、頭部、筋肉、関節など…いわゆる体表部です。「裏」は体の深い部分のことで、主に内臓などをさします。

邪気が「表」にある場合、悪寒、発熱、頭痛、関節痛、のどの痛み、くしゃみ、鼻水…などの症状があらわれるのが特徴です。

体表部には防衛のためのバリアが張りめぐらされていて、侵入してきた邪気と正気(抵抗力)が体表部で戦っているわけですが、正気が勝てば「今回のカゼは軽くすんだ…」ということになります。

逆に邪気の方が強く、体表部のバリアを突破されると、どんどん体の深い部分(裏)に向って進んできます。

寒熱
病気の性質が「寒証」か「熱証」か…というのも大切なポイントです。それによって全く違う対応になるからです。

病気が「表」にある場合…カゼの症状で見てみると、「ゾクゾク寒気が強いタイプ」と「寒気はほとんどなく急に体が熱っぽくなるタイプ」とあります。「ゾクゾク寒気が強いタイプ」は「寒証」、「寒気はほとんどなく急に体が熱っぽくなるタイプ」は「熱証」と考えられます。

この場合自覚症状が大切で、体温計で測った熱が高くても、自覚症状に寒気がある場合は「寒証」であることが多いです。

虚実
中医学で考える「虚実」は正気(抵抗力)と邪気の力関係に基づいています。

「体力が落ちている…」「抵抗力がない…」のような正気(抵抗力)不足の状態だと、それほど強くない邪気に簡単に負けてしまい、病気にかかってしまいます。このような状態が「虚証」になります。

一方、健康で体力がそれほど落ちていない状態で、強力なウイルスに感染したり、急激に冷えたりすると、邪気の強さに負けてしまいます。このような病邪が過剰になって起こる状態が「実証」です。

「虚証」ならば体力を補う「補法」を、「実証」ならば邪気を攻撃する「瀉法」で治療する…というのが基本原則です。「虚証」の原因である正気不足は、体力が落ちている状態ですが、具体的には「気」「血」「津液(水)」の不足をさします。

ただ、「虚証」と「実証」の混在している場合…内臓の機能低下(虚証)から、「気」「血」「津液(水)」の循環が悪くなり病邪を形成する(実証)…という場合には、「補法」と「瀉法」を同時に行います。

このような感じで、病気が「どこで(表裏)」「何がどうして(寒熱)」「どうなっているのか(虚実)」…「陰陽」のバランスの崩れを分析することによって治療法を考えていきます。

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